先日、G検定を受験してきました。あまりメジャーな資格ではありませんが、AIが普及していくにつれてもっと注目されていくと思いますので、今回はG検定とはどういうものなのか、どういう人に受けてほしいかについて述べていきたいと思います。また、私の勉強スケジュールについても、ご紹介します。
1.G検定とは?
まず、G検定とはどういう試験なのかというお話です。
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が開催している資格試験です。
公式ページの概要には、”ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。”とあります。
ディープラーニングとは、AI(人工知能)を表現するための1つの手法です。
※以下、人工知能はすべてAIと表記します
この試験について、もう少し細かく言い直すと、
- AIとはそもそも、どんなものか
- AIはどうやって発展してきたか
- AIにはどのような技術が用いられているか
- AIを使って、実生活でどのように活用されているか
- AIを活用するときに発生する法的リスクや倫理の問題
等々幅広く問われます。
そもそもAIってなんだと思いますか?
人によっては、ドラえもんのような完璧な自律機械を想像するかもしれません。
はたまた、将棋やチェスを打つ機械のようなものを想像するかもしれません。
AIの定義は、厳密には決まって”いない”のです。今のところ共通の理解というものが存在しているだけです。それは、AIとは、人間の思考を表現することのできる情報処理システム(プログラム)のようなもののこと指しているということです。ですから、ドラえもんや将棋やチェスを打つ機械も正解と呼べそうです!
この試験について勉強すると、AIとはどんなものかおおよそ説明できるようになると思います。
2.G検定はどういう人におすすめ?
G検定の受験を勧めたい方々は、
・人工知能に興味のある方
・人工知能を活用して、何か新しいこと(事業等)を始めたいと思っている方
・機械学習等を学びたいと感じているエンジニアの方
これが全てではありませんが、このような方々に受験を勧めたいと思います。
そもそも機械学習がなにかを簡単に説明すると、人工知能を賢くするために行う方法や手段のことです。AIの初期状態は、赤ちゃんのようにまっさらな状態です。そこに、大量のデータを投入し学習させることにより、賢くなっていくのです。この賢くなっていく過程の方法や手段のことを機械学習と呼びます。
AIに興味のある方には、漠然と言葉で知っている”AI”や”ディープラーニング”というものの理解が深まります。巷では、よく『AIに仕事を奪われる』なんて言われていますが、どのような分野のどのような仕事が置き換わっていくのかも理解できると思います。
AIを使った事業等を考えている方には、AIが実際にどのようなことを得意か不得意かを理解し、最大限活用できる方法を考える手助けとなり得ます。そして、AIに対し適切なアプローチが行えるはずです。
また、これから機械学習を学ぶエンジニアの方には、学習していく上で、機械学習やディープラーニングの全体像を捉えることに役立つでしょう。AIは、活用される分野の幅が広いため、自分の興味のある分野や、どこを勉強したいのか見当がつけられます。また、それらの機械学習がどのような手法を取っているかも理解できますので、深く学んでいくときのベースとなるはずです。
上記のような方々がG検定を受けることで、浅くではありますが、AIの最低限の知識を身に付けられると思います。
3.私のG検定のスケジュール感
私は、2020年7月4日(土)の2020#2のG検定を受験し、合格しました。
G検定の、過去を振り返りますと、年々受験者は増加しており、合格率大体は6~7割です。
開催 | 合格率(合格者数/受験者数) |
---|---|
2017 | 56.84%(823/1448) |
2018#1 | 57.14%(1136/1988) |
2018#2 | 64.93%(1740/2680) |
2019#1 | 72.76%(2500/3436) |
2019#2 | 71.40%(3672/5143) |
2019#3 | 70.70%(4652/6580) |
2020#1 | 66.66%(4198/6298) |
2020#2 | 68.96%(8656/12552) |
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会 【2020年 第2回 G検定】過去最高となる12,552人が受験し、AI活用の今後を担う 8,656人の合格者が誕生。https://www.jdla.org/news/20200716001/(参照2020/10/13)
現在、G検定は年に3回行われており、
- 試験時間:120分
- 知識問題(多肢選択式・220問程度)
- オンライン実施(自宅受験)
となっています。
残念ながら、合格ラインは公表されていませんが、正解率6~7割と言われています。合格率でみると決して難しい試験ではないかもしれません。また私が受験したG検定は在宅学習支援ということで、普段は12,000円の受験料が半額となっており受験者数が伸びていました。
私が受験した上で、使用した教材とスケジュール感をご紹介します。
勉強期間は約1か月ほどで、平均すると1日1時間程度勉強しました。最低限抑えていてほしい教材は以下2点です。これらは必須だと思います。
- 深層学習教科書ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
- 徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト
問題集公式テキストを1週間で2周ほど読み、次の1週間で問題集を解き、間違えた問題について復習をしがら進めていきました。模擬試験がついていますので、それを3週間目に行い、最後に
- Study AI(模擬試験を無料公開してくれているサイト)
で模擬試験をもう1回重ねて行いました。
この模擬試験では、解説がない問題も多いので、間違えた問題等は自分で調べる必要がありますが、出題範囲はずれていないので、やって損はないと思います。残りの3、4週目は、復習しながら、公式テキストをもう1周ほど読み直したり、模擬試験をもう1度やってみたりしました。
この試験は、如何に簡単な問題を取りこぼしなく取っていけるかがカギとなると思います。
実際に受けたG検定は、自然言語処理や画像認識系、そして、AIを使用した法律関連問題が多い印象でした。問題集でやった問題ばかり出た訳ではなく、20問ほどは、時間が足りずに見直しもできませんでしが、合格ラインが7割ということを信じて、60問ほどは落としても大丈夫と自分に言い聞かせて、なんとか最後まで粘りました。仮にもう一度受験するなら、法律系のところをもう少し深く勉強したいと思います。(次回も同じような傾向になるとは限りませんが)
G検定に合格するための注意点としては、上記の公式テキストを信じすぎないということです。このテキストをやっておけば安心という訳ではないなと感じました。
時間等に余裕のある方は、
等を読み、ダメ押しの勉強をすることをお勧めします。私個人は時間的余裕がなく、読めませんでしたが…
4.終わりに
今回G検定を受験してみて、AIについて、断片的に点で存在していた知識を繋げることができました。例え、合格できてなかったとしても、勉強して良かったと感じていたと思います。是非、AIに興味のある方は受験してみてください!
執筆者プロフィール

- tdi AI・コグニティブ推進部
-
配属後、ロボコン担当として、ETロボコン2018東京地区大会準優勝。
現在は、Node.jsを使ったアプリやAIを使ったアプリの開発等を行っています。
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